2021年11月14日日曜日

iPad mini 2 (retaina) au SIMの終焉

 3年くらい前に、昔のiPad mini(au版)で使えるSIMでこんな書き込みをした。

https://blog.fuji.blue/2018/07/auipad-mini2volte-sim.html

一昨年契約したIIJmio のauのSIMでも使えていたのに、なぜかdonedoneのSIMを突っ込んだところ、通信できない。もしやと思い、今年初頭契約したmineoシングルSIMでも、やはりダメであった。

まあ、知らないところで、通信の形が変わったんだろうけど、非常に残念である。r-simとかも試したんだけどね、うまく行かず(泣)。

昔のnano SIMは今でもアンテナピクトは立っている状況。

後日追記

ヤフオクで買った格安下駄で試したところ、docomoもauもRakutenも通信できるね。やりやすいのはdocomoだけど。まあ、いろんなSIMが手持ちにあるけど、普段からこの古いiPadに挿しっぱなしにすることはもうないんだけどな…。いろいろやりすぎて、SIM下駄が壊れてしまった(笑)。

2021年11月4日木曜日

ああ…、donedone…

 エントリープラン契約してみた。契約事務手数料がかかるのはしょうがない。無料回線だから…。

 radikoが聴けて、GPSが使用できればいいかなーと思っていたが、なかなかそうはさせてもらえないようだ。

 GPSはマップを先読みしておけば大丈夫なはず、と思っていたが、現在位置を表示するのに、何らかの通信が必要らしく、著しく反応が悪い。これは、私の使用していた機器に原因があることが後に判明しているので、現在別の機器で検証中である。

 また、radikoもタイムアウトが多いみたい。使用するアプリにもよるが5分に1回程度音声が途切れて復帰する。コミュニティFMのサイマルラジオはさらに結果は悪い。使いこなすのは私にとって難しいかも。それでもメールとかLINEの着信表示といった最低限の通信維持には使えるのでは、と思っている。着信専用が基本で、それ以外に使おうとしないほうがいいようだ。                                


*初速、反応速度が著しく遅いため、ブラウジングでもタイムアウトが多い。速度的には、以前解約したロケモバAプランに似ているがここまでひどくなかった気がする。月額0円なのでしょうがないけれども、バースト機能や多少の増速があれば、と思うが、現在はセルスタンバイ対策だと思ってSIMを入れずに持ち歩いている端末に慰め程度に入れておく、ということ以外に利用法が見つからないかな…。




2021年11月1日月曜日

iCloudのカスタムドメインをサブドメインで設定してみた

  久しぶりのITネタをやってみようと思う。

 実は、5-10年前はライフワークと思われるくらいこのへんの話題は事欠かなかったが、人事異動により部門を離れ、さらに若くてきつい(笑)職員が施策の実行に対し実権を握るようになってくると、興味は薄れ、さらにほかの部門での悩みがそれを後押しして、まったくここにも書き込みなどというものをしなくなってしまったな。「時代」を感じる。


 さて、アップルでは最近カスタムドメインというものをiCloud+に追加したそうである。アップルもgoogleもスマホの使い始めはクラウド領域への保存は無償で提供されているが、googleに比べてアップルの無償で与えられるクラウドストレージは狭く、すぐにいっぱいになってしまう。iPhoneなんて1IDにつき5GB与えられているものの、最近のiPhoneの大容量化の実態に伴っておらず、実際その容量ってどうなのって思うところではあるが。でも、そこにもうひとつビジネスモデルを構築したところがアップルの偉いところなんだが。それがiCloud+である。


 で、最近そのiCloud+にカスタムドメインというサービスが追加されたそうである。

これ、何かというと、大半の人は興味ないのはわかっているが(笑)、「xxxx.com」みたいなドメインというもの、インターネットで使われるサーバー名(グループ群と言ったほうがいいのかも)というものを、レジストラから入手できるが、この新しいアップルのサービスはこのドメイン名を自分の持っているiCloudのメールアドレスのエイリアスとして動作させよう、というものである。

 もっとわかりやすく言うと、xxxxx@icloud.comというメールアドレスを持っている人がこの設定をすると、123@xxxx.com宛のメールも一緒のメールボックスで受けられるし、123@xxxx.comからのメールも出せますよ、というものである。

設定については、アップルから出ている案内や、先人のWebサイトの記載で十分かと思うのだが、実はサブドメイン「i.xxxx.com」の時の設定に悩んだので、ちょっとばかりヒントで書き込んでおく。


 正直言うと、アップル側のマニュアルも、ちょっとアレなところがある。独自ドメインを持っている人が、この設定をするときに、既存のメールドメインのユーザーに確認を出すようなシステム設計になっているのだが、これはまず不要である。サブドメインを設定対象とする私はまずここから悩んだ。ドメインのメール設定をするときに、なぜ既存アカウントにメール送信をしているのか、理解不明である。そもそも設定前なんだから、メールなんて届かないだろ、と思うのが普通。やり終わった後になぜこうなっているのか趣旨は理解できたものの、あれはいらないなーと思う。そこは画面をよく読んで、「スキップ」をしてもらいたい。


 また、私のように、サブドメインでこいつを設定したい、という場合もちょっとばかり注意を要する。こいつを設定しようという人は中にはプロ中のプロもいるだろうが、私のように興味本位だけの方も多いだろうし、ドメインやDNS設定を理解している人はさらに少ないだろう、と思う。世の中のこの手のサービスは大体、サブドメインのことまで考えてマニュアルを提供していないので、特にレコードを作成するときに悩むことになる。


 具体的に書こう。i.hogehoge.comというサブドメインをこいつで設定したいとすると、

① MXサーバーの記載の部分のホスト名(サブドメイン)に「i」を記載する必要がある。ドメイン自体に設定しようとすると、空白とか@の記載になるが、この場合はサブドメイン「i」がついているので。

② SPFの設定がされているTXTレコードもホスト名(サブドメイン)に「i」を記載した。よくわからないけど。

③ 暗号化みたいなレコード、「apple-domain=」で始まるTXTレコードについても、ホスト名(サブドメイン)に「i」を記載した。

④ dkimキーを記載している部分については、ホスト名(サブドメイン)に「i」を記載する必要があるが、「sig1._domainkey.i」という感じで、末尾に記載する。レコード値はそのまま(アップル側指定の通り)で良い。


 あと、こいつが終わった後に、「ファミリーユーザー」にメールアドレスの設定をするようメールが届くのだが、いざやろうとしてもいつまでたっても設定用のボタンが表示されないのでおかしいなー、と思って以上の設定を取り消し、再度キーをもらいなおして再度サブドメイン設定したが、状況変わらず、なんで、と数時間経過するも解決の糸口がつかめず、最終的にわかったのは、iCloudストレージの設定で、契約しているiCloud+「ファミリーストレージを使用」になっていないとメールアドレスも設定できないという仕様だった。たぶん事情により嫁が契約しているストレージなんて使いたくねー、と思われている旦那さんもいることだろうし、そんなときはここをいったん有効にして、メールアドレスを設定してから、ファミリーストレージの設定を元に戻せば(使用しない)いいようだ。


 以上、独り言でした。

2021年7月28日水曜日

熱海の盛土 残土処分目的だった。

 残土処分目的で熱海市に届出が出ていたそうである。これは土採取の届出。

別の話だが農地法関連の運用では、農地に残土処分を行う場合は農地転用の許可案件である。農地を処分場に転用する行為であり、純粋な農地改良とは認められないから、である。

ここでは、林地に『残土処分』という目的を県農林事務所は把握していたのか、それとも知らなかったのか。違反した部分を林地に復するなら開発面積から除外しますよ、と指導した形跡がある。あまり表立っていないが。その指導のあと盛土行為は行われたのだが、県農林事務所はそれを指導の時点で見抜いていたか、知っていたかどうか。これは極めて重大な問題である。

2021年7月24日土曜日

熱海市の土砂関連の手続きと行政指導の経緯について

 ここまで、マスコミの報道で焦点となっている「盛土」とは異なる意見を申し上げたが、ここに来て、7月7日時点での静岡県発表の資料を見つけたので、転載する。赤字は筆者のコメントである。


転載元 静岡県 http://www.pref.shizuoka.jp/kensetsu/ke-520a/documents/kaihenkoui1.pdf

2007.3.9 A社が熱海市に県土採取等規制条例に基づく土の採取計画届出書を市に提出(面積 0.9446ha、盛土量 36,276 ㎥、受理書交付 2007.4.9)→ この時点で、森林法の5条森林に該当するかどうか、本来はチェックしなければならない。静岡県の土採取条例は、森林法の1ha以上の林地開発にその案件が該当すれば、適用除外になるとの定めがあるからだ。土採取担当が届出をまず受けるのではなく、県農林事務所に林地開発になるかどうかを判断してもらい、その結果、林地開発にならなければ熱海市は(森林法側で運用している)小規模林地開発届出と土採取届出を出すように指示をしていくのが正解だろう。また、このように森林法と盛土とが競合する場合は、森林法の適用を優先するのが原則である。これは、県土採取条例が森林法に対する適用限界を明確に定めていることに加え、逆に森林法側は樹木を切るところから始まり、形質変更(盛土)はもとより、その後の「転用」に至るまでの監視義務を負うからだ。盛土の規制条例は、森林法で定める(最初から最後までの)行為のうち、「形質変更」の部分のみを担当することに過ぎない。当然、土採取の届出が出ていた、ということになると、森林法側では「小規模林地開発」(伐採から盛土を含んだ形での形質変更、転用後の姿)の届出が出ていないといけない。

2007.4.27 市から県東部農林事務所に、A社が土地改変面積を拡大したとの通報があり、県東部農林事務所が現地調査。土地改変面積が 1ha 超に拡大されており、県東部農林事務所が林地開発許可違反と判断。(森林法 10 条の2第1項) (この時点では、渓流部に盛土はされていなかった。)→ いつかわからないが渓流部に盛土をしたことはかなり問題。これ以降に変更の届出が出てきているが、図面に「渓流部の盛土」が記載されているか確認が必要である。行政側でどれだけチェックができる体制だったのか、それとも、業者側にかなりの悪意があったのか…。

2007.5.31 県東部農林事務所からA社に、土地改変行為の中止・森林復旧を文書指導(林地開発許可違反面積 1.2329ha)(森林法 10 条の2第1項)→ 受取り方によっては、グッジョブな文章だが、私は、ここが転換点だったと思っている。少なくとも2,329㎡の違反面積があって、なぜ林地開発許可に該当します、申請してください、と指示できなかったのか。これは、違反した部分は山林に復旧すれば、「林地開発」に該当しない、という暗黙ルールが県に存在しているため。しかし、 1.2329haもやっていれば、その後始まる土砂の搬入で、1haを超える面積を「形質変更」するだろう、という危険性はこの時点で排除できないため、今後、違反行為の是正は「林地開発許可」の発動により是正していかなければいけないのではないか、と思う。森林法は「盛土は所管外」の意識が強いと思うが、前述の通り森林法で規制すべき事柄の一つであることは言うまでもない。また、この時点で唯一、「申請・許可」権を発動できる唯一の法令である。残念ながら、現在の森林法の運用は法第1条『もつて国土の保全と国民経済の発展とに資することを目的とする』という意義から乖離しているのでは、と思ってしまう。

追記 目的は残土処分との報道を確認。そうなると、残土の上で植栽、種子吹付の指導をしたことになる。林地土壌改良の目的ならOKだろうが、残土処分の上で林地改良は理解できない。

2008.8.7 県東部農林事務所が、植栽、種子吹付、丸太木柵工を確認。 (2007.5.31 県指導の)林地開発許可違反の是正が完了。(森林法 10 条の2 第1項) → これは盛土施行前だけに行い「いいですよ」という性質のものではない。森林法側としては、1haという区切りがあるので、盛土施行後にもこの確認は行うべきである。盛土を所管外ととらえていた証拠ではないか、と思う。ただ、種子吹付を行うところは通常盛土部であり、もし、形質変更をした部分で吹付をして開発面積から除外するようなことをしていれば、かなりまずい指導となるのではないか。林地開発になるかならないかの瀬戸際のところで「種子吹付」をしてくれれば開発面積から除外します、という指導を行ったことになる。ここは要確認である。土砂の搬入は下記の2009.3.19から、であるが、この時点で盛土があったことを匂わす文脈である

2009.3.19 A社が土砂の搬入を開始

2009.7.2 市がA社(行為者)・B社(施工業者)を指導(防災措置と改変面積の求積)  → ここで違和感がある。担当者は現場を見た上で、「こんなところまでやっているはずではない。」と感じ、「面積拡げた?」と問いかけたはずである。その結果、変更届出せ、ということになったと思うのだが、当初の届出面積から 250㎡しか拡がっていない。1ha近い面積で山林かつ斜面部の形質変更250㎡をよく見抜けたな、と思うが、感覚としては、もっと広い面積に対し「形質変更」があったのではないか、と推測する。少なくとも、1haを超えた面積の盛土は「林地開発申請」となるので、担当者がそのことに気づいていたのか、業者側が悪意で面積を削って窓口で1haを超えてない、と担当者を恫喝したか、とか、まあ、いろいろと勘ぐってしまう。決して推測で言ってはいけないとは思うものの、このあたりの当事者のやり取りとか気持ちについては、後々争点になるだろう。また、両罰規定(第19条)により届出を担当した行政書士も今となっては覚悟をしなければならない事案だ。

2009.12.9 A社が熱海市に県土採取等規制条例に基づく土の採取等変更届(第1回) (面積 0.9696ha、盛土量 36,641 ㎥ 工期限 2010.4.8 工法:ロックフィル→土堰堤) 

2009.12.10 県土採取等規制条例に基づく土の採取等変更届(第1回)受理 

2010.3.23 A社が熱海市に県土採取等規制条例に基づく土の採取等変更届 (第2回)工期限 2010.4.8⇒2010.7.8 

2010.3.23 土採取等規制条例に基づく土の採取等変更届(第2回)受理 

2010.8 土採取条例に基づく造成工事が概ね完了(土砂搬入は 2010.6.30 に完了)→ 渓流部を埋めたのはいつなんだろうか。もし公図上の水路であり、盛土図面に施行範囲として記載されていたら、責任の帰結がかなり変わってくると思う。公図上の水路であり、盛土を避けている計画であれば、業者の不適切工事であり、かなりの部分の責任を業者は負うことになる。

2010.8.25 熱海市から盛土の中に産業廃棄物が混じっていることが発覚、市と県東部健康福祉センターが撤去を指導 

2010.8.31 県土採取等規制条例に基づいて市が、廃棄物処理法に基づいて県東部健康福祉センターが土砂中に木くずの混入を確認  → 結構、業者側も狡賢い。盛土が始まる前に産廃処分場を作るとなれば申請を出せ、となるが、一応盛土が終わりに近い時期で産廃発覚となれば、盛られた土砂が盛土規制にとって、逆に担保に取られたような形となり『これから先は産廃でやってください』とは言えなくなってしまった、と推察される。盛土担当としては、産廃の許可があれば盛土側の施行監督義務は条例上の仕組みとしては免責される。しかし、産廃は盛土の上にある。逃げようがなかった。逆に、産廃の担当としては、許可できるものかどうか、問答無用なものかどうかをまず考えるが、危険な盛土の上に産廃など到底承服できるものではない。撤去を指示するのは当然だと思うし、さらにこちらは告発体制が整えられているので、業者側も見かけ上は撤去に応じた。しかし現在の産廃担当の体制は、地中にあるのは追わない、という考え方がある。監督権がありながら自ら掘り出すことは通常しないので、あくまで搬出を確認した、らしいが、全て産廃を撤去した、と信じるわけではない。単純に見かけ上の話である。盛土現場では産廃混入がよく言われるが、判別は時として困難であり、ここまでは盛土規制、ここからは産廃というような明確な基準(区分け)が必要であるとも思う。例えば、土砂の中に産廃が混入していれば、産廃担当から中止命令を行い、ゴミは全部撤去させるとか、○%までは運用上okとするのか、など(ゴミをOKすること自体が矛盾ではあるが…)。実は、土砂の搬入では、故意ではないゴミ混入は日常茶飯事であるからだ。今後、盛土の法制化が実現する際には、厚労省と国交省はこの問題をよく話し合ってほしい。

私は、この件を書き始めた時から、これは盛土事件というより森林法と産廃の問題だと言っているが、ここでも同様である。

2010.9.17 市からA社に対し県土採取等規制条例に基づく工事中止と完了届の提出を要請  →工事中止をしろ、と言ってる割には完了届を出せと言う矛盾…。産廃の投棄をやめろ、ということであれば意味は理解できるが盛土側で産廃規制に見紛うような分野に手を出してはいけなかった。余計問題が混乱する。この場合、保健所側に行政命令を発動してもらい、盛土担当としては「盛土が終わってるなら早く完了出せ。」とするべきだった。バタバタだったのか?。

2010.10.8 市からA社に対し県土採取等規制条例に基づく土砂搬入の中止と完了届 の提出要請に従わないことから土砂搬入の中止を要請 

2010.11.17 ~ 県東部健康福祉センターの廃棄物処理法に基づく指導により、関連○社 が木くずを搬出したことを確認 

2011.2 土地所有者変更(A社⇒C者)→ ここについては、やはり新所有者、旧所有者ともに疑念を持たれる行為である。新所有者側は現在、盛土していることは知らなかったとし、前所有者の行為について『県と相談する』くらいの話をしていると報じられている。言葉通り受け取ると、前の所有者が悪く新しい所有者は本当に知らなかったのかも、と思ってしまうが、もし、新しい所有者は宅地分譲の目的を持ち、『造成してくれれば買うよ』と事前に意思表示があったかもしれない、と思っている。

旧所有者はこの土地で残土を引き受ければついでに儲かるし、造成が完成すれば、実際に林地だが買った時の何倍もの値段を吹っかけても買った時は1㎡あたり何十円、何百円の山林である。儲からないわけがない、ということで計算をしたと思う。旧所有者は盛土(残土処分)+産廃投棄で十分儲かり、あくまで山林目的として『造成』する。林地開発などというリスクは次の所有者が負えば良い、と考えたのではないか。だから、完了後、3か月程度で契約を行い手放せたのである。一般の山林売買としては異例の早業である。新しい所有者は、すぐにでも分譲を行いたかったが、前所有者は林地開発申請・許可を徹底的に回避し小規模林地開発届出で行ってしまった関係で、違反し過去に県農林事務所から指導を受けた部分まで分譲対象にしたかったが(あくまで仮定)、もう形質変更(盛土)面積はぎりぎりだし、ここまで含めるとなると『林地開発』を一回経由しなければならないので、ほとぼりが覚めるまで放置しよう、どうせ税金は山林のままなら安いし、と考えたのではないか。

その推測で分析すると、盛土をしたのは、新所有者の旧所有者に対する『停止条件付売買』がそもそもの発端であり、逆に新所有者は山林からの転用が完了していない『瑕疵物件』を売りつけられた、という『因縁』がある。そのため、新所有者の言動はかなり積極的に見え、堂々と『県と協議』するという意向にも顕著に現れているのではないか。https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000221775.html?&ampcf=1

あくまで、推論の積み重ねであることを念頭において読んでいただきたい。

※ インターネット上に掲載されている土地登記簿は、途中差押が入っているのだが、どういうことなんだろうか。県発表の情報と異なる。登記簿記載が事実であれば、商談など成立したのか疑問がある。


追記 林地開発にならなかった場合の小規模林地開発の届出について調べていたところ、千葉県がかなりしっかりとやっているようなので、必要書類について引用させていただきたい。静岡県については、確か伐採届に毛が生えた程度の簡便なものだったと記憶している。正直これが同じ法律から出た運用だろうか、と思うくらい違ってきていると思う。また、千葉県については安易に権限移譲せず、県森林事務所で事務を執行しているとのことである。











2021年7月17日土曜日

熱海市 土砂崩れでの水路について (公務員の本質からの分析)

 公図を確認していないので書くかどうか迷っているのだが…、崩落してしまった盛土をしていた部分には、公図上の水路はなかったのだろうか。

 もし、水路があれば、河川管理者は原状復旧、機能復旧もしくは付替えの処理を指示できたはずである。河川管理の権限からすれば、盛土全体の撤去は無理だと思うが、河川の機能だけでも確保しておけば、今回のような大規模な崩落は防げたはずである。

 これは、もし、水路が公図上にあったら、という仮定の話である。


 ここからは、私特有の穿ったものの見方をしたい。

 実は、公図上の水路、赤道というのは、平成13-16年に市町村に一括譲与され、市町村で底地と機能管理(河川占用)を行うことになった。それまでは、国有財産部局長である県知事の管理であった。実はその頃でも、ある程度大きな市では機能管理を土木事務所から任されていたのだが、熱海市ではどうだったのだろう。

 要するに、急激に国県市の関係が変更され事務の編成を組み直している最中に、普通ではない、悪質な業者による重大な違反事件に内包する河川の埋立事件が発生した、ということになるが、河川機能管理の担当者がこの事態に突発的に反射的に対応できたかどうか、非常に気になるところである。なぜ、こんなことを言うか、実は国有財産の一括譲与『地方分権一括法』(地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律)が、静岡県特有の『権限移譲』とあわせ、熱海市のように小さく、産業構造が第三次に特化し、神奈川県熱海市と誤解を受けるくらいの県境のまちで過重な負担を強いていたのではないか、と私は勘ぐっている。

 熱海市では本件を『盛土の問題』としてとらえていたことは、ほぼ間違いないが、熱海市の盛土担当からすれば、『森林法(県農林事務所)は逃げた。市の森林法は終わった(小規模林地開発)。県の産廃は指導だけで終わった…、宅地でないから開発規制はかからない。神奈川からダンプは数珠繋ぎに来る。オレだけ取り残された。あとはテキトー県条例の盛土でやるしかないじゃん。』と鬼気迫る状況下で、河川担当と十分な協議ができたのであろうか。

 もしかしたら、『知らなかった』という可能性もある。

 いずれにしても、金科玉条の地方分権一括法が、実は問題の発端をある意味で担っていたのではないか、ということを言いたいのである。法制度が狂っている。

 少なくとも市民の安全や公益に直結したり、行政処分に関わる部隊については、行政改革という人気取り政策はもうやめるべきである。確実に不効率化をもたらし、大事なものが奪われる結果しかない。行政処分と行政サービスを国やえらい大学の先生方も混同している、のではと、この頃思う。今人事施策で実施されている業績評価制度も、崩れたという結果を見せつけられると、公務員の本質からかなり外れたことをやらされている実感しかない。崩れなければ業績は良くなるのか。業績評価が良ければ崩れないのか。まったく馬鹿馬鹿しい。これらの公務員諸氏の意見を承りたいと思う。

熱海市の土砂災害の法的規制 森林法の運用について

 本日のNHKニュースでの解説

問題は、熱海市、静岡県の規制の弱さ、国の(規制)不作為があると言っていた。

確かに、静岡県の土採取条例は届出で済んでしまい、完了検査さえもない条例であり、こんなもの規制と言えるか分からないものである。盛土形状をチェックすることもできないだろう。かといって、土砂はどんどん積まれる、産廃は入る、で熱海市の担当職員は相当な苦労をしただろう。こんなことになって、正直一生思い悩むことになるかもしれない。いや、なるだろう。

熱海市が盛土条例を備えなかったことは熱海市全体の問題だろう。NHKは国の法制化が急務だ、条例を備えても、熱海市のように条例がない自治体に盛土を増やしかねない、という静岡県のある富士山麓の自治体職員の声を紹介していた。

条例は、頑張っても罰金100万円である。産廃のように3億円の罰金に対応させるためには法律でないとダメだ、法制化を、とNHKは締め括っていた。

ある意味同意するし間違ったことは言っていないんだが、いやいや報道諸君はまだわかっていない。

この事件の本質はどこにあるか。盛土ではない。静岡県の古い条例なんだから、業者に対峙し闘える条例になっていないんだから、条例変えなきゃダメだ、国による法制化を、確かに間違っていない。建設残土の規制、国は今までまったく関わろうとしていなかった。それもあるけど本質は違う。

少なくともこの事件の本質は、森林法と廃掃法にあったと思う。まず、1haを超える森林法違反があり林地開発申請、許可を適用できるタイミングがあったのに、わざわざ植林を行わせ、面積要件である1haを切らせて小規模林地開発にさせてしまい、熱海市に届出で済ませるように県が誘導した、ということがわかってきている。その結果『申請・許可』のステージに持ち込めなかった。

もっと分解して言うと、ここには、構造的に二つの問題がある。まず、森林法の『林地開発』制度の転用制度が、1ha以上であると言う点である。これは脱法行為の温床となるし、熱海のように開発関連の規制が弱い自治体には何の規制もかからないことになってしまうので、林地開発の規制は例えば、500㎡、1,000㎡でかかるように改めるべきだろう。今回の分析では、森林法単独で規制できるチャンスがあったのだから、どこに問題があったか、林野庁はしっかりと検証してもらいたい。特に、形質変更面積や伐採抜根面積が1ha以上あったのに、規制ができなかった。これは森林法の存在を否定させるくらいのインパクトがある。

もうひとつは、静岡県の権限移譲が問題である。今回のように、実質1ha以上の形質変更に対し、県が『植林をすれば林地開発にはなりません。届出で済みます。あとは熱海市さんよろしく。』とこういう社会と公益に対し重大な結末をもたらした事案を、事実上ステージにも登場せず、水面下で済ましてしまった点があることを指摘したい。これは県で検証してもらいたいところである。

報道諸君は、盛土規制の不備をとらえて報道しているが、方向性が違う。規制がかけられるのにそういう運用しなかったのが問題なのである。盛土の県内各自治体の規制は『森林法で許可が出るなら、盛土条例は適用除外』である。この構造に早く気づいてもらいたい。要するに、今回の本丸は業務の規制法である森林法であり、運用に問題があったことをまず、考えるべきである。

また、廃掃法も許可として取り扱う事案だったと思うし、今回の行為を止められる規制だったと思うのだが、これは情報が伝わってきていないので、これ以上書けない。

いずれにしても、今回の行為をもし止められた、ならどの規制か、という意味でこの拙論を書かせていただいた。結論としては、森林法と産廃規制であり、盛土規制は実のところ今回の主役ではない。