2011年5月30日月曜日

刷ればいい

さて昨日のつづきである。
復興財源について『ただ刷りゃいい』と言った言葉。単純なようでかなり深い。このセンスは菅総理にはない。浜岡を法的根拠もなく止め、公務員給与を巻き上げて被災地に投下する、と言ったケチケチした愚策ではない。
インフレを起こし、目減りの恐れから200兆もの企業内内部留保を市場に再度戻し、経済活動を活発化させる、ということに繋がる。これが、税収増、円安をもたらし、さらには国際競争力につながっていく。なるほど、さすがに慶大経済である。ちなみにインフレは国債の国際競争力(人気)を失うが、償還しやすくはなるだろう。財務省のエリートはこのような経済モデルが存在すること、それが一政治家のもつ理論であるが、ちょっとは勉強してもらいたい。

今日の動きである。
小沢氏に近い山岡賢次民主党副代表は社民党の又市征治副党首に接触し、「小沢グループを中心に(不信任案同調者が)90人集まった」として賛成を促した。(時事通信社)
俺は小沢さんに期待しています。

岡田さんは『反党』の経験がある。世の中巡りめぐるものである。おそらくかなりの議員は自己を犠牲にして自分の信ずる途に対して票を入れるのではないか。

それよりも、ジャスコの駐車場は節電する気あるんですかね。自分のとこだけはいいんですか。

2011年5月29日日曜日

小沢氏の言

震災復興の財源をどうすりゃいいかという質問に対して、

A:復旧に必要なことは、お金がどれくらいかかったって、やらなくてはならない。あのままでは住めなくなる。再臨界に達するかもしれない。あそこが爆発したら大変だ。爆発させないために放射能を出しっぱなしにしている。爆発するよりたちが悪い、本当のことを言うとだ。ずっと長年にわたって放射能が出るから。だから私は金の話じゃない。日本がつぶれるか、日本人が生き延びるかどうかという話だと言っている。金なんぞ印刷すればいい。その結果、国民が負担することになるが。国家が本当に放射能汚染をここで食い止めるという決意のもとに、徹底して金だろうがなんだろうがつぎ込まなくてはだめだ。 国民はそのことをよく理解してほしい。国債でやれば借金だし、いずれ償還分は払わなくてはいけないが。

と言っています。やはり、私のとる主張と方向性は一緒。小手先で公務員給料をつぎ込んだっていくらにもなりはしない。増税も言明せず、『ただ刷りゃいい。』当然拡大経済路線です。でも、インフラの危険性に対しては国民に負担を求めている。
少なくとも経済センスは菅さんより数段上ということが見てとれる。

この頃世の中変だ。蛍光灯抜いたり、PCのスタンバイ時間を変更したり。しかも、企業なんてさ、節電に協力しなければ『罰則』まであるんだよな。こういう発想ができるのはやはり狂っている。
確かに、節電は必要だけど経済といった意味では悪影響を与える。それらの分析をしてからやってもらいたいものだ。

近年は江戸時代の三大改革も見直されている時代である。あまりケチケチしないで遣わせてあげるのも国民へのサービスかもね。
おれは、この世の風潮を『エコファシズム』と呼ばせていただいている。

2011年5月28日土曜日

政局

今国会での補正予算等をめぐる政局が不透明である。まず、自民は公明と協力し、不信任案を突きつける気でいる。民主党も一部それに乗じ、執行部と駆け引きの毎日である。
国家公務員の給与削減とか、地方交付税の削減などほんとうにやる気があるのかどうか。また、公務員給与削減での連合系はなぜあのタイミングで妥結したのか、実に不思議であった。
さて。不信任案は大変に可決は難しい状況である。なんせ、民主党は300議席を超えており社民党が反対を表明する中、可決には80議席ほどの造反が必要である。ハードルは高い、と新聞では書かれている。

で、私特有の穿った見方をひとつ。
近日、渡部、前原、小沢の三氏が急接近している、と伝える報あり、また、小沢さんを推している鳩山さんも、一括りにできるだろう。鳩山さんは私財を投じて民主党を作った経緯があるので、党は割って欲しくない。で、意見を総合すると…。

もしかしたら、民主党構成員のなかで旧社会党系が実権を握っているなかで、旧保守系のグループはすべて反菅に染まってしまっているかもしれない。その数は実に200以上。この規模で造反をするならば、逆に現執行部が民主党を追い出される事態になるかもしれない。さすがは小沢さんですね。現執行部を降ろすのに、党内を『党員資格停止中に』自分の色で染め、自民党まで巻き込んで画策するとは。しかも、ほとんど小沢さんは口を開かない。本当はどこまで進んでいるかわからない。新聞も情報を書けない。自民は本当に小沢氏周辺がやる気があるのか、勘ぐっている状況だという。

ということで、6/2-6/3あたりは目を離せない状況になりそう。今回、不信任が可決されでもしたら、確かに小沢さんの持つ政策は大したものがあるが、人間的にも師として尊敬させてもらうよ。『老兵は去ろうと思っていたが、もう一仕事』。もしかしたら、前代未聞の首相退任劇が待ち受けているかもしれない。

給与削減をめぐる労使交渉においても、小沢さんと仲のいい連合は先の政局が見えていたのでとりあえず妥結した、と推測してもいいのかもしれない。

補足 : たった今産経から新情報。『造反50人超』。造反だけでもかつてない規模である。決議するためには、あと30余り集めるか、60人あまりの欠席が現時点では必要。私は、この数字、小沢さんなら可能と見ている。小沢さんの手駒は90。小沢外しは理解できなくもないが、執行部はその反動を予想できなかった、というところか。

2011年5月17日火曜日

櫻井よしこ先生との一致

産経新聞のコラム 『菅首相にもの申す』にて
政治主導の名の下に、結論だけがいきなり降ってくるのが菅政権だ。国益や国家戦略を欠いた首相の思考と、民主主義のプロセスをとび越えた首相の手法こそ、日本国が背負い込んだ最大の負の要素である。
このブログでは、
こういった手続きを無視する手法を許してその前例を作れば、原子力事故以上に日本国民は負の遺産を抱えることになるかもしれない。
と書いた。偶然でしょうけど似てますね。大変光栄である。サイン欲しい(笑)。
しかし、櫻井先生文章うまいな。流れるようである。それを詭弁と決めつける方もいらっしゃるが、逆に問いたい。浜岡を止めることにより福島は収束するのか。そういうふうに『誤解』をさせること自体が詭弁だと…。

ここでは少なくとも法律による手続きにより、浜岡を止めろと書いた。中電の努力は素晴らしい。静岡と言う土地柄自体、地震をなめてはいないと思うし原発の大事故は起こさないだろうと信じている。

しかし、『自発的に止めた』と国は言っている。最悪。国からは何の補償も今のところ出ない。だから、立法化を盾にしろ、って書いたんだけど…。ひどい政府だ。ほとんど詐欺だな。

2011年5月14日土曜日

給与削減

国では震災復興の財源に充てるため、組合協議にはいったとのこと。

で、こんなニュースも。ソースは産経。

地方公務員給与も削減へ
2011.5.13 01:00
財務省は12日、東日本大震災関連の復興財源を捻出するため、国家公務員の給与引き下げに合わせ、地方公務員の給与に充てる地方交付税も最大10%削減する方針を固めた。国費ベースで最大6千億円を2011年度第2次補正予算に充当する。地方公務員の給与水準は地方自治体の自主性に委ねられているが、人件費は国家公務員の約4倍に達しており、国家公務員に準じた引き下げが必要と判断した。引き下げ対象には教員給与も含まれる。

財務省も相変わらずばかだな。そもそも地方にいくのは地方交付税交付金である。また。地方交付税交付金を全体で10%削減するのか、人件費分の交付金を算出しておいて、そこから10%削減するのかはわからないのである。キーとなるのは6千億円という数字だけである。
4倍、と言ってるのも気にくわない。ラス比較はなんのためにある。しかも、生活に金がかからないのは国とか県とか。地方公務員があたかも高給のように受けとる恐れのある報道発表だな。
まず。自分(財務省)の公務員住宅と県の官舎全部売って復興資金にあてがえ。

そもそも公務員の給料は下げる必要はない。もらいすぎになったら物価を上げるように誘導すればいいだけのこと。そういう能力が今の日本政府はないらしい。消費税があるためにコントロールが利かないのだ。

こんなことを国が勝手にできる、というのは問題はないだろうか。国の役人の給与は『労使間の妥結』がなければ減らすことができない。しかし、本来国から独立して給料を支払っている各自治体への交付金を財務省が半ば勝手に増減できる制度が問題である。実際に給料を減らす際は各自治体で労使間協議が必要であるが、組合の強い自治体は削減に了承しないし、交付税交付金に頼りきってる自治体は人件費の削減幅が大きく、各自治体でばらばらの対応となってしまう。逆に石原さんのところでは、一切減らす必要がないと思われる。石原さん減らす方向みたいだけど、減らした分余計なお金が余ってしまう。なんに使うのだろう…。各自治体取り扱いが異なり国の統率が弱まりこれを機に財務省に対する財源譲与の攻撃も強くなることは簡単に想像できる。将来的に、起債の許可なんかも手ばなさなければならないかもね。
補正が成立したとしても、基準財政需要額は10%減らして計算するのか、という計算上の取り扱い、どうすんだろ。人件費分10%減らしたら不交付団体になっちゃったりしたら目も当てられないわな。
そもそも一般の自治体は労使間協議しても労働協約の締結の義務は課せられていないので、条例で勝手に削減する手法しか残されていない。結局地方公務員は弱い立場である。しかし、労働協約が締結できる労組がある。現業の労組である。各自治体においては現業の労組化をまず行っておき、財務省の交付金削減及び使用者側の削減提案に向けて準備してもらいたい。

財務省の役人は相当優秀なのはわかるが、そういった各種法律の知識があるのか、ないのか。震災だから、国全体が頑張る必要があるのはわかるが、それをたてに人件費攻撃をするのはやはり震災ファシズムであろう。労働法があり、人勧がある。これらを無視する手法は民主菅の浜岡の一件に象徴される手法であり、手順、法制、政策形成過程を無視する手法である。最後に『ご理解をいただきたい。』が常套文句である。理解できるわけねーだろ。このぼけが!。

今、連合は民主支持であるが、今回の補正予算案には、民主の小沢先生の動きに注視したい。連合と小沢先生とはかなり仲が良いと聞いているため。小沢先生が動けば、補正予算成立しないのに。

ちなみに連合は消費税増税に賛成したようだが、今聞いてみたい。国公労、自治労の職員の給料が10%減らされるなかで、消費税額10%。どちらも反対の立場をとるしかないのでは。で、民主は巨大な支持母体を失うことになるんだろうな。きっと。
菅、仙石はそのくらいの目先のことも見えていない。完全に次は民主は勝てない。

この前も書いたことだが、震災復興の本質はインフラの投入である。今いる公務員が震災地のインフラ復興の資金を拠出してはいけない。今いる国民と将来の国民が均等に負担すべき話である。そこからして、まったく間違っている。資本財の知識、財政の考え方もまるでなし。震災地の地名ですら知らないらしい。だから、放漫財政なんだよ。
震災復興の予算的な特別枠を設けて、そのなかで運用するしかないよね。で、社会資本の再建は原則起債で行うべきなんだろうな。

震災復興特需は必ずある。消費税を下げ、景気の更なる刺激策をとれ。公共財は公務員の給与を財源にするのではなく、財政投融資せよ。そうすれば民間の資本投資を活発化でき民間復興も早めることになる。給与削減は『景気抑制策』であり、総フローを下げる政策になってしまう。今、一番やってはいけない手法だ。で、不景気の悪循環が起きるだけである。結果として震災復興や償還も遅くなる。
ついでにインフレを恐れるな。インフレになったら、直接税を増税せよ。財界だって時限措置としての法人税増税にOKしてるのに。内需が震災特需により拡大するから、法人税は高くしてもしばらくは大丈夫だよね。

財務省と民主は難しい財政や金融の計算式でなく高校の政治・経済の教科書を学習してくれ。帳簿や予算では見えない部分を読むのが経世済民の本質である。人件費抑制は浜岡問題と同じく、人気取りとただの帳簿合わせに過ぎない。真逆の政策を採ってはいけない。

俺と同じような考え持ってる人もいるんだよな。積極財政論。
http://app.m-cocolog.jp/t/typecast/676043/566837/67665204

公務員の給与削減が経済に与える影響はこちら
http://news.livedoor.com/lite/social_stream/list/5557641/?is_posted=1

近いうちに内閣総辞職かな。菅さんやりすぎで衆院でさえ補正通らなそう…。

やい、財務省。キレぐせのある総理は無視して、震災復興しやすい財政を展開しろ。まちがった財政は戦争になるぞ。

2011年5月8日日曜日

呑気な要請 【中電危機】

【今日の産経より】
これに先立ち、海江田万里経済産業相はフジテレビ「新報道2001」で「浜岡原発は地震が発生する可能性が非常に高く、この立地条件だと津波を伴うことになる。地震、津波による電源喪失、建屋の密水性などいくつか気になる点があった」と要請理由を説明。国民の生命、財産、安全を守る立場からどうしても止めなければいけない。ぜひ私どもの要請を受け入れてほしい」と訴えた。また、海江田氏は「日本産業の中心的な部分である中部電力管内にどうやって電力供給できるか、万全な体制を整えたい」と述べた。関西電力に対し、中部電力管内への送電を要請したことを明らかにした。

だからさ、わかるんだけど、順番が逆だつーの。原発の許可は国がやってるので、それで地震に耐えられない、津波に耐えられないんじゃ、今までの原子力行政が間違っていましたと認める話だ。そういうことなら、日本国内すべて止めてしかるべき話なのに、浜岡は地震の確率が高いからという理屈。屁理屈にもなってない。今回は国民を騙したときのようにはいかないよ。本当に国をあげて、中電を支援してもらわないと困る。そして、その支援は中電と協議して立法化すべき。停止も立法化して、中電の損失も担保しろ。実際、口だけでなく働いてもらわないと。関西電力への要請もわかるんだけど、中電の炉停止費用と損失は国が全額負担しろ。ボケ。
これで(防潮堤ができるまでの)2年以内に東海地震が来たら歴史に名を残す宰相となるが、地震が来なかったら、国民を混乱させているだけの大ボケ首相ということが立証されてしまう。

中電は大変だけど、停止と支援がセットで『立法化』されれば、おとなしく国に従います、と今は言っていればよい。どっちかっていうと、支持率回復のためのとっさの変化球にすぎないからさ、素直に打ち返してあげればよい。誰もが認める正解で、内閣支持率は落ちるし、内閣は瓦解し、中電側も将来安心して原子炉を止めることができる。円満解決。原発に依存している御前崎市には悪いが。
今回は危機管理ファシズムだな。中電が国民の目を覚ますときが来た。一発、公式の場で、正論を言ってくれ。それだけでいい。

今回は県知事も「浜岡原発の津波対策が不十分であることは私も指摘してきた。原発について、中途半端な対策はノーだと政府が明確な姿勢を示した」とした。(静岡新聞より)
そうじゃないだろ。なに呑気なこといってるのか。自分の職務を全然考えてない。原発であっても、海岸法の規定は適用されるべきだろ。海岸保全基本計画を誰が策定するのか県知事はわかっていないと思われる。今回の浜岡防潮堤の計画はあくまで原発敷地内に計画している。しかし、それだけでは県民、御前崎市民の生命安全は守れない。津波対策に努力した原発だけが当然守られる。
すぐにでも土木の余ってる技術屋を御前崎に送り込んで田子の浦並みの17mh重力式防潮堤ぐらい設計させろ。
災害対策は総合的に判断しなきゃならない。県が実施主体、中電と関係自治体が折半しつつ、浜岡の周りの駿河湾と遠州灘に防潮堤をつくればいい。県と海岸管理者が施工できる海岸線に国を黙らす大防潮堤を建設しようじゃないか。また原発周辺は海岸線ではなく、中電が無償提供した敷地内もしくは砂丘の高さを利用した30mh大防潮堤(砂丘15m+防潮堤15m)だ。いまこそ地震立国静岡の能力を発揮すべきだと思うが。→ 仕分けバカは今回退出願いたい。国政がまちがった判断をしたために、自治体も間違ってしまう。浜岡原発の津波対策は、県及び海岸管理者の津波対策の総点検のきっかけとなるべき話である。今回の事件の本質は国をはじめとした行政の津波対策がいい加減だから、中電は独自に津波対策をしなきゃならない、ということなんだけど。
だから、県知事は本当はこういうべき。
『浜岡原発の津波対策が不十分なので、県としても憂慮している。少なくとも県は中電とも連携しつつ周辺地域の津波対策の分析を行い、不備があれば強化する方向で進めていく。』行政としてはこれがもっともスマートだ。特に、中途半端な対策はノーだと政府が明確な姿勢を示した、なんてことはまったく言う必要はない。言ったら、俺みたいな性格の悪いたかが法学士(笑)に揚げ足をとられ笑われるだけである。中途半端なまま運用させていたのは政府や県である。特に、今回原発ばかりが注目され、法手続も無視されるなかで、民主系我らが県知事は原発を含めた県内全域の安全を図る責務があることを忘れている。自己の怠慢に気づいたら大至急中電本社に連絡して防潮堤建設について協議しろ。

一方、中電の会長は直接カタールに乗り込んで、代替燃料のルート確保をやってる。頭が下がります。
でもね、これも国がやれ。呑気すぎるだろ。

中電の会長と総理大臣をチェンジしろ(笑)。

2011年5月7日土曜日

浜岡原発停止 【中電緊急事態】

しかし、なんで民主党ってこういうことをいきなりやるんだろうね。法、ルールに則らない手法が首相の持ち味なんだろうけど。
確かに、浜岡原発の危険性が高いことは国民としても承知している。しかし、だ。なんの議論も尽くさずにいきなり前触れもなくこういうことを言う。私も、原発自体はどうかな、とは思っている。でも、あまりにも思いつき行政じゃないのか。今回、中電が東電の危機を助けているんじゃないのか。また、関東をパニックにするつもりか。震災のときもそうだったが、地理的な知識がまったくないと思われる。関東と中部が接しているという地図ですら頭の中にないようだ。しかも、『要請』といういい加減な形である。

これについては、国民はすべて同意するとは思えない。

今までの原子力行政は法律によって推進してきた。ならば、法治主義の総理大臣ならば、当然法律の根拠を指し示して止めるべきであろう。マスコミもそのへん調査したのか(首相の嫌いな産経はすでに指摘している)。行政過程があまりにも欠落している。権限を法律で認められている以上に振り回しているように見える。
また、本当に止める気があるならば、国会の場で議論し、浜岡原子力発電所特別法とか作って止めるべきだろうな。津波対策が出来ていないという指摘があるならば補助金の手当は必須となる。また、停止中の営業損失(停止費用)はすべて国が提供するぐらいの覚悟が必要だ。
『国が誘導した』結果原子力発電所が建ってしまい、それが震源域になるとわかってから『国の命令』で止めるんだろうから、国が責任を大部分かぶるべきだろう。その辺の議論をしてはじめて『停止』、『廃炉』が可能になる。

中部電力も言いたいことを言ってほしい。また、今回の原発事故は不可抗力というよりも人災的な要素も見えるんだが…。電源を喪失したときに、どう対応するのか中電はシミュレーションして結果を公表してもらいたい。
今回の件、訴訟やむなしかもね。なんなら、知恵を貸そうか(笑)。
中電管内の私は正直言えば、今回の『要請』は無視してかまわないと思う。そのかわり、2年かかると言われている防潮堤を地元と協力し、少なくとも半年程度で完成させなければならない。中電は首相を無視して悪者になってしまうかもしれないが、こういった手続きを無視する手法を許してその前例を作れば、原子力事故以上に日本国民は負の遺産を抱えることになるかもしれない。民主党の支持率や選挙に与する必要はない。首相はごくごく正しい判断をしているかもしれないが、それであれば、すべての原発を止める政策を打ち出す必要があるはずだ。地震の起きる確率が他とは桁違いに違うから、という言い分であるが、それもおかしい。過去に原発が地震で事故を起こしたのは浜岡以外の地震をナメてた原発である。確率を振り回して中部圏の存亡に関わることを気楽に言うこと自体がことの重大さをわかっていない証拠でもある。

すでに民主党の政治主導は限界に近づいたようだ。政治主導とは、国会の議論なしに国民の生命財産を奪うことのようだ。恐らく首相の個性もあるかも。
今回のキーワードは『法治主義』と『行政過程(手続き)』。確かに、安全性に疑問があるならば止めることも必要だが、一事業者が一方的に損失を被るのは回避し、止めるのであれば行政的な手続き、時には立法措置を踏まなければいけないだろう。
ところで、原発を止める手続きってどうするんですか。

【今回のオチ】
日経では、『中部電の結論先送り、首相官邸「想定内」』として、『首相周辺は結論持ち越しについて「長期的な電力見通しなどをパッケージで打ち出さなければならないためだろう」との見方を示した。』としている。正直、国策一事業者の存亡に関わることを勝手に言っておいてこのように他人事のように傍観すること自体、政府が行ったことに対して自分自身が無責任であることのあらわれである。
このような要請を行うならば、政府が「長期的な電力見通しなどをパッケージで打ち出」してから要請を行え、ということだ。停止してもしなくても安心・安全に関わる事態なんだから。まったく話にならない。

2011年5月4日水曜日

大杉久美子の歌声

こんなことを書くとアニメが好きだと思われるかもしれないがそれはまず否定しておく。
世界名作劇場ではこの人の歌が頻繁に流れていたが、柔らかく包み込むような声で、高音を優しく歌い上げるのが特徴と言えるだろう。アニメ系ではミッチの露出が多く注目される中でこの人はあまりテレビでお目にかかることはなかったし容姿もそれなりに歳を重ねたようだが、『杉美子』名義のジャケットを拝見すると、驚くほど美人である。失礼な表現をすれば流行のアイドル歌手になりそこなったのだが、それも運。その後、日本国中の子供たちはこの人の歌声を聞いて育つのだから、歌手冥利に尽きる、と言っても過言ではないだろう。
YouTubeを聞いていたら、歌声については、昔とかなり違うことに気がついた。実は再放送のアタックNo.1の歌を昔(中学時代、30年前)聴いていて、その後の名作劇場の歌声と違うことに気づいたのだが、なんとなく大杉久美子と言う感じである。なにも知らない人が聞いても名作劇場の歌手と言われないと気づかないと思われる。彼女のこのレコードの発売は19歳である。おそらく、高校を卒業したばかり、18歳頃にレコーディングされたものだろうか。それを聴くと、なんと言おうか声に張りがある。どちらかと言うと演歌っぽい声をしている。特に一番盛り上がる『ナ~ンバぁ~ワン』は絶品。また、ところどころに入れた嫌みのないビブラートも完成度の高さをうかがわせる。遡ってみて、環ルナ名義(17歳くらい)のころの作品を聴いてみても、低音時にさえ張りがあるくらいだ。よく言う、女子高生の黄色い声である。で、『ジャングル黒べえ』(22歳)も歌い出しこそ大杉久美子であるが、全体的に張りのある声でしかも演歌風、都はるみ顔負けのコブシがきいているところがある。その後の『リミットちゃん』(23歳)は名作劇場のころやさしい感じと張りのある歌声が同居する声に変化する。イメージ的には『リミットちゃん』は悲しい話なので、『黒べえ』のように歌えず、歌い分けをしたのも事実であろうが、声質もかなり異なってきている気がする。正確にはその間半年ばかりであるが、彼女の身に何かあったのであろうか。
『エースをねらえ!』でも同様である。それから、ハイジのエンディング『待っててごらん』を数ヶ月後に歌うのだが、これは完全にその後の『大杉久美子』特有のカドの取れた優しい歌声となっている。

芸能界でも同様の例がある。島倉千代子だ。彼女も『天才少女』だったが、若いころ声帯ポリープを患ってしまう。これによって、彼女の声は張りをなくしてしまうが、これ以降でもヒット曲はある。大杉久美子の場合の変化は声が丸くなり芯が見えると言うか…、その変化は私はただの声変わり、というか大人の女性へと変貌する自然の変化だと思うが、この声の変化については、ご本人は何もコメントしていない。ただこの声変わりが彼女の技法と『艶っぽさ』を確実に引き出したのは事実である。非常に大人っぽく、反面癒しの効果のあるかわいい声と言おうか。

大杉さんその後80年代後半より高音が出なくなってしまったようだが、その後のレコーディング作品やテレビを拝見しても美声は健在だと思う。某巨大掲示板ではいろいろ書かれる部分はあるけれども、幼年から少年期を大杉久美子の歌と一緒に成長してきた自分にとっては、大杉さんがあの時代歌ってくれていただけで幸せだったといいたい。

そういえば、俺もレコード会社に『デモテープ出せ』と言われて、ちょっと演歌っぽいやつを持っていってもらったことがあったな。ギター1本でやってた頃。今は地方居住のサラリーマンにどっぷり。
大杉さん曰く、
『特に私の歌を聴いてくれる人は、アニメの歌というより、音楽として聴くという人が多かったみたい 音楽好きっていうのかな。クラシックが好きな人だったり、自分も音楽をやる人だったり。そういうファン が私の歌を聴きにきてくれましたね。アニメの歌が、だんだんと音楽性を求められるようになってきた時期だったと思います』
まさにそのパターン。なぜか、ずっと憧れの存在。

最後にネットで拾い物をしたのでご紹介しておく。アイドル歌手並み、というのは本当でしょう。
【13歳】
【20歳】
男なら誰でも彼女にプロポーズしちゃうよね(笑)。
【28歳】
色っぽい…。松田聖子登場以前だけど、聖子ちゃんカットに似てる。その前だと石川ひとみの髪型もこんな感じだった。当時は流行ってたんでしょうね。
このレコードは俺も買ったな…。
【無断リンクですが宣伝】
http://columbia.jp/artist-info/kumiko/interview01.html コロムビアレコードにリンクしています。関係者の皆様<(_ _*)>。