なにやら、合衆国とウクライナの大統領が揉めたらしい。そして世界中が心配している。マスコミが言うには、副大統領が、一国の大統領に対し、感謝していると言えって言ったらしい。例えば、副社長が取引先の社長に対し、俺らの支援に感謝していると言ったらどうだ?って言ったようなもので、日本人の感覚からすると、礼節に欠けるきらいは否定できないように思う。
文意を分析すると、米側が高圧的なんだけど、ウクライナ大統領が聞いてもいいか、と言い、クリミアの侵攻の時からアメリカの大統領何人か変わってるじゃんね、どうよ、っていう問いかけが発端だったらしい。これを、アメリカ大統領は「人々が戦って血が流れて残念だと思っている、支援はヨーロッパとともに継続する。」とでも言えばよかったんじゃないのかな。無難な返しで済んだのに、単純に答えられない、そもそも質問なんてするな、失礼だ、侮辱するな、となってしまった。
その後、合衆国側のコメントは、「この場所を、アメリカを侮辱した」と。議論すり替えが見事起こって、相手の大統領はひどい奴だ、という話となってしまったが、礼儀という意味なら合衆国は戦わずして負けている。むしろ、品位のない会談は人気を陰らせないだろうか。
さらに思うのは、案外、ウクライナ大統領、この質問に対して、アメリカが「謝罪」か「激怒」に陥るのを読んでいたのでは、という点である。あくまで、体裁的にはウクライナ側が懇願するように見せかけといて、実はこれまで以上の支援を引き出す賭けに出ているのでは、と深読みしてみた。あくまで、合衆国側は単純な受け答えのみで、一手先、二手先は読んでくるものの、五手先までは読めない、選択肢も見えていない。しかし、ウクライナ大統領は本職コメディアンである。伏線を回収するのでは、というオチを描いているのかもしれない。
米国は大統領が変わって国益が変わってしまったようだ。ただし、比較的国際問題は予定調和的に解決が図られるので、まだいい方向に流れるとは期待できるもののハラハラする展開になってきている。
確かに、ウクライナが実力通り「負けて」しまえば、大統領が即座に退陣し親ロシア国家に転じれば、ここまでの犠牲はなかったし、合衆国の武器供与もなく合衆国の予算も使わずに済んだ。合衆国の大統領はそのことを言う。一国の大統領に対して、「優秀なセールスマン」と揶揄するくらいである。
しかし、ヨーロッパの専門家も米国の専門家も、そんな単純に終わるものでない、ぐらいのことは予想しているのではないのかな…。
かつて、米国は戦争に対して、挑発や恫喝を繰り返し、我々は挑発に乗ってしまったではないか。ただ、その後の調和的な世界を見ると、あたかも米国は戦争相手を間違えたようでもある。要するに、我が国は、一矢報いることが目的となってしまったが、合衆国は、戦後、アジアでの覇権(市場確保)を確立する、というのがあくまで目的だった。
それが果たされて、地域経済とか、平和に寄与できたのか、と問えば、35点くらいかな、
ただ、日本の描いてきた版図や平和の維持、というものは、60点くらいつけられるか…。
合衆国の頭脳は、なるべく話を単純にして終わらせようとしているが、物事は万事継続するので、実は終わりなんて考えないほうがいいのかもしれない。
話を本題に戻そう。
喧嘩してしまったこの問題は今後どうなるか中立的な立場で予想してみたが、なんとか早めに、双方の人命が失われない形で終結することを願っている。
・予想1 合衆国からの支援が途絶え、もしくは支援の低下を受けてウクライナの経戦能力が低下、降伏または停戦合意。ただし、可能性少。)ただし、降伏という形はなくて、撤収&経済協力とかの形になるのか?。→ 合衆国がプレゼンスを失い孤立化…?
・予想2 合衆国内部の政策反動が起き、支援継続、戦争長期化。かの大統領も策を失い支援継続しか選べなくなる。さらに、西側からの派兵も可能性としてはあるが、戦火が拡大してしまうので、そこまでの可能性は少ないだろう。
・予想3 ヨーロッパはウクライナに戦ってもらいたいらしい。となると周辺国が一斉にロシア国境を越えるパターンが浮上する。戦線が拡大し、犠牲が増える。陸上戦で疲弊。戦争は消滅に近い形に。これは自制の気持ちのほうが当然強い(我が国もこのパターンでは関係国ではある)。 → 細分化されさらに複雑なことに。
0 件のコメント:
コメントを投稿