2011年5月4日水曜日

大杉久美子の歌声

こんなことを書くとアニメが好きだと思われるかもしれないがそれはまず否定しておく。
世界名作劇場ではこの人の歌が頻繁に流れていたが、柔らかく包み込むような声で、高音を優しく歌い上げるのが特徴と言えるだろう。アニメ系ではミッチの露出が多く注目される中でこの人はあまりテレビでお目にかかることはなかったし容姿もそれなりに歳を重ねたようだが、『杉美子』名義のジャケットを拝見すると、驚くほど美人である。失礼な表現をすれば流行のアイドル歌手になりそこなったのだが、それも運。その後、日本国中の子供たちはこの人の歌声を聞いて育つのだから、歌手冥利に尽きる、と言っても過言ではないだろう。
YouTubeを聞いていたら、歌声については、昔とかなり違うことに気がついた。実は再放送のアタックNo.1の歌を昔(中学時代、30年前)聴いていて、その後の名作劇場の歌声と違うことに気づいたのだが、なんとなく大杉久美子と言う感じである。なにも知らない人が聞いても名作劇場の歌手と言われないと気づかないと思われる。彼女のこのレコードの発売は19歳である。おそらく、高校を卒業したばかり、18歳頃にレコーディングされたものだろうか。それを聴くと、なんと言おうか声に張りがある。どちらかと言うと演歌っぽい声をしている。特に一番盛り上がる『ナ~ンバぁ~ワン』は絶品。また、ところどころに入れた嫌みのないビブラートも完成度の高さをうかがわせる。遡ってみて、環ルナ名義(17歳くらい)のころの作品を聴いてみても、低音時にさえ張りがあるくらいだ。よく言う、女子高生の黄色い声である。で、『ジャングル黒べえ』(22歳)も歌い出しこそ大杉久美子であるが、全体的に張りのある声でしかも演歌風、都はるみ顔負けのコブシがきいているところがある。その後の『リミットちゃん』(23歳)は名作劇場のころやさしい感じと張りのある歌声が同居する声に変化する。イメージ的には『リミットちゃん』は悲しい話なので、『黒べえ』のように歌えず、歌い分けをしたのも事実であろうが、声質もかなり異なってきている気がする。正確にはその間半年ばかりであるが、彼女の身に何かあったのであろうか。
『エースをねらえ!』でも同様である。それから、ハイジのエンディング『待っててごらん』を数ヶ月後に歌うのだが、これは完全にその後の『大杉久美子』特有のカドの取れた優しい歌声となっている。

芸能界でも同様の例がある。島倉千代子だ。彼女も『天才少女』だったが、若いころ声帯ポリープを患ってしまう。これによって、彼女の声は張りをなくしてしまうが、これ以降でもヒット曲はある。大杉久美子の場合の変化は声が丸くなり芯が見えると言うか…、その変化は私はただの声変わり、というか大人の女性へと変貌する自然の変化だと思うが、この声の変化については、ご本人は何もコメントしていない。ただこの声変わりが彼女の技法と『艶っぽさ』を確実に引き出したのは事実である。非常に大人っぽく、反面癒しの効果のあるかわいい声と言おうか。

大杉さんその後80年代後半より高音が出なくなってしまったようだが、その後のレコーディング作品やテレビを拝見しても美声は健在だと思う。某巨大掲示板ではいろいろ書かれる部分はあるけれども、幼年から少年期を大杉久美子の歌と一緒に成長してきた自分にとっては、大杉さんがあの時代歌ってくれていただけで幸せだったといいたい。

そういえば、俺もレコード会社に『デモテープ出せ』と言われて、ちょっと演歌っぽいやつを持っていってもらったことがあったな。ギター1本でやってた頃。今は地方居住のサラリーマンにどっぷり。
大杉さん曰く、
『特に私の歌を聴いてくれる人は、アニメの歌というより、音楽として聴くという人が多かったみたい 音楽好きっていうのかな。クラシックが好きな人だったり、自分も音楽をやる人だったり。そういうファン が私の歌を聴きにきてくれましたね。アニメの歌が、だんだんと音楽性を求められるようになってきた時期だったと思います』
まさにそのパターン。なぜか、ずっと憧れの存在。

最後にネットで拾い物をしたのでご紹介しておく。アイドル歌手並み、というのは本当でしょう。
【13歳】
【20歳】
男なら誰でも彼女にプロポーズしちゃうよね(笑)。
【28歳】
色っぽい…。松田聖子登場以前だけど、聖子ちゃんカットに似てる。その前だと石川ひとみの髪型もこんな感じだった。当時は流行ってたんでしょうね。
このレコードは俺も買ったな…。
【無断リンクですが宣伝】
http://columbia.jp/artist-info/kumiko/interview01.html コロムビアレコードにリンクしています。関係者の皆様<(_ _*)>。

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