2012年6月16日土曜日

消費増税否決の道

消費増税の修正合意が民自公でなされた。これは、ほとんど成立した、といっても良い。たぶん、野田総理はウキウキ、であろう。
拙論は、何度も言うように高校の政治経済程度の知識でかかれている。愚論ではあるが、現行内閣の主導する消費税+所得税+住民税の増税三点セットは、日本経済を凍り付かせる結果となる。大好況下ならまだしも、震災に理由をつけたあまりにも過酷な政策である。第二次ベビーブームを中心とした世代は、結局時代の狭間の犠牲者となったのだろう。

日本国民は『受忍』するのであろうか。受忍するならば、どういう人なのかを知りたい。給料が足りなくて辟易しているのに。

というわけで、小沢氏や鳩山氏にがんばってもらいたかったが、その方向も潰えたようである。このまま採決になったら、否決のためには民主党から190程度の造反者が必要だとされているが、党議拘束違反に対する処分を恐れ、また、解散後の敗北を恐れ、造反は40程度にとどまる、らしい。
しかし、もしかして唯一否決の道があるのならば、こういうシナリオか?というストーリーを描いてみた。ここからは、趣味で想像した世界であるが。
増税反対派は言うまでもなく、鳩山氏、小沢氏を中心としたグループである。これに中間派かつ増税反対派を加えた総人数は130名程度と予測されているが、否決にはほど遠い。
また、今回は通常あり得ない共闘もある。みんなの党、社民党、共産党が反対している。まあ、社民、共産にとっては賛成自体ありえないが。
反対派にとって頼みの綱は、自民党内でどれだけ増税に反対する議員がいるか、ということである。

小沢氏は、消費増税可決後の政界再編を明言している。しかし、『採決前の政界再編』についてもある程度、シミュレーションしているのではないか、とも思われる。もしかしたら…、民主の新人議員は解散となったら民主では勝てない。これは当然である。だから解散を恐れている。しかし、看板が変わったらどうか。ブームに乗ってしまえば勝てる可能性が出てくる。自民の造反者と諸派、民主党内の造反者と示し合わせた上で、消費増税採決時に処分覚悟の反対票を投じたらどうなるか…。このシナリオだと、増税採決の可否にかかわらず政界再編が生じる。で野田総理は解散をして、二度と総理に指名されることはない。民主党も自民党も数が少なくなった上に次回の選挙では双方とも惨敗する予感…。

今回の自民党の動きがすごく不気味。採決直前になって難癖をつけて反対票、というストーリーを構築しているかのよう…。基本的に自民党も増税路線だけれども、『民主の公約を取り下げれば増税は行う必要はない』という路線を走った方がわかりやすいのに。やっぱり、政党間も密室談合だな。

自民党から見れば、二つの策略のジレンマがある。
一つは、このまま自民党がやりたかった消費税増税に賛成しておいて、総選挙後の『政権奪還後』の財政運営を楽にしようとするスケベ心が働いている。
もう一つは、消費増税法案に最終的に『反対』し、早期に衆議院解散に追い込みたい、という『正攻法』。
普通は、後者を選択するだろうが、『合意』とは…。自民党内も民主党内紛劇と似たり寄ったり、の状況かも知れない。
民主党はそもそも『鳩山党』であるが、前回の菅内閣不信任騒ぎの際、鳩山さんは『党は割りたくない』と言っていた。しかし、これも、叶わなかったのではないのか。民主、自民を割りつつ、元国民新党亀井さんやみんなの党渡辺さんも合流するかも。これなら、次期衆議院選挙では勝てる要素がある。そして、自民党はまだしも、民主党は旧社会党と同じ運命をたどることになる…。

まあ、今は生活を無視した空中戦を展開しているようにも見えるが、上記のシナリオを踏んでしまうと、一週間後は国会は大騒ぎ。消費税どころではなくなり、内閣総辞職か、解散か…、という事態に陥る。数で言えば、仮に民主党の半分+自民党の3分の1が反対すれば否決はできるだろう。造反者には新しい『看板』という身分保障も撒いておかなければならない。実は、要素はある。今や無視できなくなった橋下維新は小沢さんと実は仲がいい。この可能性について、同じ学派に属する(と私は勝手に思いこんでいる)しかも愛煙家の森永卓郎氏が、
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<<抜粋>>
「今のまま野田政権が続く限り、“デフレ脱却・株価上昇”シナリオはほぼあり得ない」と分析している。 民主党の中でも半分以上の人は、本心では消費税引き上げには反対だと思われます。
さらには、野田総理が消費増税にあくまでこだわれば、小沢グループが民主党を離れ、橋下徹・大阪市長を中心とする「第三極」グループと手を組み、政権を奪取するというシナリオさえ浮かび上がってきます。
そうすれば、デフレ脱却・株価上昇で日本経済は一気にジャンプアップするとみます。
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と述べている。ただ、橋下維新がこのような経済政策を持っているとは正直思えない…。
しかし、私の敬愛する愛国者石原都知事も橋下さんと仲がいいのだが、小沢さんとは『絶対イヤ』だと言っている。これは、不確定な要素として覚えておかなければならない。

それとも、静かにコトは進み、造反は『小沢スキャンダル』で少なくなった小沢派プラス鳩山さんだけで済み、静かに採決され、民主造反者は除名され新党結成というのが確率的には一番高い。今のところ、雑音は小沢さんの周囲からしか漏れてきていないが、逆に嵐の前の静けさなのかも。いよいよ地上戦開始ってところか。しかしながら、もう一度言う。民主党の半分+自民党の3分の1+維新が消費税採決前もしくは造反後に手を組めば、消費増税は否決され次の選挙では明らかに勝つだろう。既成政党を崩す圧倒的な勝利が予測される。

しかし、民主党も昨年野田総理を選んだときに、第1位の小沢系候補『海江田氏』ではなく第2位に投票する、なんてコトをやってしまってこのざまだ。国会議員でありながら『政策論争』もしないからこうなる。身から出た錆とはまさにこのこと。個人的には、小沢さんではなく馬淵澄夫さんが消費税否決及び政界再編のキーマンになりそうな予感はある…。いや、個人的に期待している。まさに良識と見識に裏付けられた政策をお持ちである。是非、総理をやっていただきたい。

以下、馬淵さんのブログから抜粋。
件の役人が、民主党政権などなくなっても構わない。いや、自民党政権であろうが、第三勢力だろうが関係ない、と笑っている姿が目に浮かぶ。
国会審議では、自民党も議論が分かれるところでもあるようだ。これから、与野党ともに、入り乱れての混乱が予想される。
まさに、ゴングがなったところなのかもしれない。

まぶちすみおの「不易塾」日記
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可決は自民党、公明党の数の力により、なかなか阻止は難しいのだが、民主党が党内調整に手間取った場合、採決は遅れることになる。自民党幹事長が言うように野党側から内閣不信任案が提出される(正直、あの与野党合意書はまったく中身がない。どうにでもできる)。
また、民主反対議員が『内閣不信任案』を提出したらどうなるであろうか。まだそんな報道はされていないし、動きもないのだが、この闘争になると民主反対派からの揺さぶりをもろに自民、公明は受けることになる。自民、公明に加え、民主党内のハードルはぐっと下がって35人*の小沢系議員が同調するだけで可決が視野となる。今となっては上記の馬淵さんと小沢鋭さんも同調する可能性がある。このシミュレーションは、菅内閣のときに小沢さんは行っているはずで、この手法であれば増税したい自民党は苦悩するが常識的に不信任票を入れるしか選択はない。その結果として、自民党は割れずに済むだろう。ただし、自民党が信任票を入れると大誤算となり、消費増税の採決とそんなに変わらなくなる。いずれにしても民主は完全に空中分解するが。民主は菅さんにしろ、野田さんにしろ強権を発揮しすぎた。強権は反発を生み、反発は分裂を生み出す。もしかして…。

* 6/22注 これを書いているとき、いろいろ計算した結果、35という数字になったのだが、現在報道では、全員出席、野党すべて不信任案に賛成、と仮定して54という数字が一般的に流通している。

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