2014年1月14日火曜日

富士通 FMV-W600のマザーボードの電解コンデンサ交換

愛機でかつFMV-W600のマザーボードが壊れてしまい、電源が入らなくなってしまった。しばらく放っておいたら、なんとマザーボードのイーサネットのところのLEDがパカパカと点滅していたので、これは…ってなことで、電源ON!!!。二秒ほどしたら、見事に『パン!』と破裂音がして、普通はここで昇天…となるのだが、不思議とこのマザーボード、無事に起動するようになった。
しばらくはこのまま使っていたのだが、さすがに電解コンデンサが『爆発』状態というのは精神衛生上、気分が悪い。一念発起し、電解コンデンサを交換することにした。
とりあえず、破裂した電解コンデンサを確認、105℃、16V、1500μFって書いてあるぞ。これをパーツ屋で仕入れればいいのか。ってなことでパーツ屋へ。しかし、同容量のものは手に入らず、仕方なく16V、2200μFを買ってきた。まあ、耐圧は高いものでもこの世界いいらしいのだが、容量は極端に高いと駄目らしい。ちょっと不安だが、電源周りで使われるものならちょっとぐらい高くてもいいらしいので、まあ、ちょっとばかり高いがよしとした。
帰宅後早速作業に取りかかった。細かい世界であるし、工具もろくになく、破裂コンデンサを引き抜くのも手間である。ラジオペンチで電解コンデンサを引き抜いた後、半田ごてで基盤部分を加熱しながらリードを抜く作業でも、一時間くらいかかった。20W~30の半田ごてでは全く話にならない。80Wくらいのもので一気に温め、ラジオペンチで一気に引っこ抜いた。
さらに、新しい電解コンデンサを基盤に取り付ける作業もなかなか難しい。何しろ、破裂コンデンサを引っこ抜いた後、基盤にハンダが残り、穴がふさがってしまっている。これは温めながら爪楊枝とかで貫通させればいいらしいのだが、そんな芸はつゆ知らず、まち針をぶっさしてハンダを散らしながら新しいリード線を突っ込む作業を繰り返した。
書き忘れたが、再度PCの配線作業をするのも疲れるので配線はほとんどすべて残したままの作業であった。これが手こずる原因でもあるのだが、まあ、しょうがない。
2時間ほど格闘して、やっと2本のリードが裏面に貫通したので、そこでやめておいた。かなり、部品が浮き上がった状態ではあるが、ショートもしそうにない位置なので、これもこれでよしとした。
で、再度組み立て、電源ON。起動!!。けっこううまくいったぞ。ご臨終になる前の状態では、ファイルアクセスもちょっと???な状態だったが、修理後は『昔こんなだったな』という感じで、軽快である。

さて、今回、開けてみて、ほかの部分の電解コンデンサも多少いかれている感じが見受けられた。
6.3V、2200μFの電解コンデンサ、1本は膨らみ、1本は天板部分からの液漏れが見られる。実はこの部分も換えようと思い、10V、2200μFの電解コンデンサ(こちらはPC用)も仕入れてきていたのだが、根性がなく次の機会とすることにした。

次は電源の入らなくなったLCD-A193Vの電解コンデンサの交換を行う予定。

2013年12月15日日曜日

目覚ましCDラジカセCFD-E501

CDラジカセの類はまったく安くなった。
当方、大学二年の時にビクターCDダブルラジカセを37,800円(しかも石丸電気で800円頼んで切り捨ててもらった覚えがあるが…)で買い、就職してから8万円でPanasonicコンポ、その後にONKYOコンポを買ったが、なかなかそのVictorのCDラジカセもよく働いてくれたし、なかなかいい音だったな…。まあ、それに至るまでも、いろいろ使ってはいたのだが。

で、最近当方の使用しているソニー製目覚ましラジオのコントローラ部分(ボタン)が調子悪くなってきていたので(実に結婚が決まっていた嫁に買わせて以来21年も使用していたもの。当時PLLシンセサイザーチューナなど私にとっては夢だったが)、嫁と一緒にノジマに行ったついでにラジカセを見てたら、なんと嫁がほしくなってしまったようで衝動買いをしてしまった。
とはいっても、普通のCDラジカセではない。ちょっと大きくてそれなりに低音が聞き取れるくらいの音質をもち(でも高音質は求めていない)、目覚ましがついている、という条件である。
昔、SONYに吸収される前のAIWAの最後の設計でCSD-EL201という機械があったが、その後継機にあたるCFD-E501の音を聴いて気に入ってしまった(ソニーのかたい音というより、比較的柔らかい音がする。また、筐体自身が後方に向けたバスレフ構造なので、低音が思いの外出るのだろう)ので、多少インターネット価格より2,000円も高かったが、まあいいだろうということで、家に持って帰った。
家で聴いてみると、試聴したとおり、メリハリのある低音は何とか、また、FMもAMの感度も案外いいだろう、というところである。室内で聴き取れない地元コミュニティFMの電波もステレオで拾っている。ただ、ノイズは乗るが。
当製品、SONYブランドになってから、ラジカセでもただ聴けるだけ、ただ、録るだけの安価なコンポを指向したようで、内蔵マイクが省略されたようだ。これはいらない、といっても私にとっては閉口気味。娘はなにか踊りながら録りたかったようだ。その上、インターフェースもそもそもMICやLINEINとかOUTとかもない。これのみで満足しなければいけないマシンである。
まあ、目覚ましに使うものだから音響機器としては期待してはいけないのだが。スリープ機能と、留守録機能も便利だろう。ただ、近年の媒体はSDメモリになってきているので、やはり子供や中高年で機械好きの人を対象とする機器ということなんだろうか。とりあえず小学校の娘は操作しやすく至極気に入っているようだ。

嫁のCDマシンに化けそうな予感。



2013年11月25日月曜日

初Windows8.1…

大雨で電車が止まってしまい、車中待機中。暇なので、投稿してみる。なんせ、我が社の玄関前広場は今までにないくらい水が溜まっていたし、水路などは道路に越流しており、濡れずには駅に行けなかったという感じである。

いやいや、OSフリークの私としては、多少遅すぎるきらいがあるのだが、初めてLOOX T50Rに入れて試してみた。
ビデオチップが非対応のため、1280x780の表示ができない。まあ、それでも結構きれいな表示をしていたので許せるが、正直クソOSと言っても過言ではない。2-3回試して、すぐに消した…。
Microsoft Office 2013 も試してみたが、今回のバージョンでは結構書き換えが進んだらしく、MS-Wordの軽快なスクロールが失われていた。2010ではLOOX T50Rでも軽快だったのに。

2013年11月5日火曜日

Vine Linux 6.2 でMicrosoft Office 2007

今まで、Wine環境ではOffice 2003止まりでOffice 2007は失敗していたので再挑戦。そのままでは動かないらしい。

# sudo apt-get install wine
# sudo apt-get install cabextract
# wget www.kegel.com/wine/winetricks
# Configure Wine (WindowsバージョンをWindows Vistaに変更する)
# sh winetricks corefonts dotnet20 gdiplus msxml3 msxml4 msxml6 riched20 riched30 tahoma usp10 vb3run vb4run vb5run vb6run vcrun2005 vcrun6 wsh56js

ここでOffice 2007をインストール。
winecfg を実行して、(ライブラリの) riched20 を Native (Windows) に設定。
windows6.1-KB976932-X86.exe(大きい…)の保存は回避してよい。たぶん。
あと、regeditで
----------------------------------------------------
REGEDIT4

[HKEY_CURRENT_USER\Software\Wine\X11 Driver]
"InputStyle"="root"
----------------------------------------------------
を書いてあげないと日本語入力がうまくない。

将来的には日本語入力を改善するだけで、完璧になるんだろうな…。ただ、このあたりはずーっと変化が見られない(MS Officeだとインラインに入力できないとか…)ので、あと10年くらいダメなのかもしれない。大げさだけれども、WineによりWindowsは壊滅する…ってことはないか…。





【参考】 https://wiki.archlinux.org/index.php/Wine_%28%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%29#Microsoft_Office_.E3.81.AE.E3.82.A4.E3.83.B3.E3.82.B9.E3.83.88.E3.83.BC.E3.83.AB

2013年10月13日日曜日

LibreOfficeで英半角、半角数字のベースラインの調整

気分転換程度に使用する、LibreOfficeのWriterであるが、Windows版、Linux版ともに困った癖がある。私は常にMicrosoft Officeを使っているので、テンプレートはMicrosoft Office 2003から採取したテンプレートを使用しているのだが、当然そのまま使えば日本語フォントは『MS明朝』と『Century』であり、このまま使用すると英数字半角文字のベースラインが普通の日本語のフォントのベースラインより1/3程度上方にずれてしまうのである。まあ、最初はこんなものかなと思って愛嬌程度に理解して使用していたのだが、同僚に指摘されたことをきっかけとして、直してみることとした。
といっても、そんな難しい話ではない。

1. Writerのメニューバーから『書式』→『段落』を実行する。

2. 『日本語の体裁』のタブをクリックし、『日本語、英文字、および混在文章で文字間隔を調整』のチェックボックスを外す。

これで完了である。普段からこの設定で使いたいときは、テンプレートに保存した上でデフォルト設定しなければならない。これは、『ファイル』→『テンプレートとして保存』で行う。


2013年9月21日土曜日

iPhoneのスピードテストの結果は特定キャリア誘導のニオイが…?

世の中、iPhone一色である。この時期にはiPhoneが発売されることが多く、また、今回はいよいよ『通信の巨人』docomoさんがiPhoneを発売するとあって、世の中の注目を浴びている。
さて、発売後、こんな記事を目にした。

で、実行速度計測値も転載する。
出典 : http://japan.internet.com/allnet/20130920/2.html

いきなり批判するわけじゃないが、なんか信用できない。調査地点が本当にこの5箇所だったんだろうか。たとえば、50箇所調査して、ソフトバンクの速かったところだけ抽出して、こういう記事を書けば、世の中をソフトバンクに誘導する記事は書けるからね。

ということで、しばしネット調査してみたら、
『マイナビ』にて全然異なる記事を発見した。

【レポート】
この記事によると、アップルストア2店舗およびJR駅2箇所において、実行速度試験を実施したのだという。
とりあえず、記事を参考にして前者に似たExcel表を作ってみたのでご覧いただきたい。

データの出典は、『マイナビニュース』の記事が原典であり、前掲の表と比較するためデータを当方でExcelに入力した。
圧倒的にKDDIが勝利している。一箇所のみ上りがSoftBankに惜敗しているのだが、僅差であるので全勝といっても良い。

しかし、この二つの記事は相異なる結果を出している。なぜなんだろうか。そういえば、前回KDDIからiPhone4Sが発売されたときも、こんな記事を目にしたような。
ただ、場所の抽出といった面では、後者の方が『アップルストア』、『駅』といったものに限定されているので比較的信用できるが、前者(インターネットコム)は前述したように速いところだけ抽出して記事を書いているかもしれない。いやいや、双方とも、利益誘導的な記事を書いているかもしれない。やはりこの場では判断できない…。


残念ながら昨年度末の結果ではあるし、iPhone5の結果でもあるが、この結果を見るとソフトバンク優位の結果の信憑性はやはり薄れてくる。

出典 : http://mmd.up-date.ne.jp/news/detail.php?news_id=1127
なお、スマホの使いやすさを決定するのは、SpeedTestによる結果だけではなく、実は反応速度である。総じてソフトバンクは「遅い」という評価であり、これは、キャリア設備の出来不出来(主にネットワークスイッチ)もあるが、DNSサーバーの反応なんかも影響している。

ただ、私の非LTE機F-12C(IIJmio)と同僚のiPhone5(SB)と静岡市内でスピードテストを行った結果、SoftBankのiPhoneは10MB超えをしており、一方私のF-12Cはクーポンを使用して3MB程度であったので、一時期のソフトバンクと比較するとそれなりの努力は認められるようだ。まあ、そもそも比較にならない、競ってはいけないスペックであるかも知れないが。

まあ、キャリアは現在スピードを競ってうれしいんだが、一般のユーザーはスピードに対してどう思っているのだろうか。携帯にネットのスピードを求めるユーザーは極々一部であり、大多数は、500kでも10Mでも大した差は感じないのではないだろうか。一部のユーザーのために過重な負担を求められているのが現在の携帯キャリアであり、キャリアはその投資費用を顧客全体から回収している構図がさらに浮かび上がってくる。
そういった意味でMVNOの商売方法は至極効率が良いとも言える。さらにMVNOは、端末やIP電話等も一体で販売すれば、もっと普及すると思われる。というのも、個人的にMVNOの説明をしてあげても、難しい、理解できない、と言われることが多いからだ。ただし、MVNOも設備といった面では大多数のdocomoユーザーに支えられているところであり、そのユーザーがいなければMVNOもなかったといえるので、キャリアユーザーを無視するわけにはいかない。

だからこそ、キャリアは低速(パケット制限なし)でかつ電話もできる端末を具体的には月総額2,000円以内で提供していけばそれなりに人気を集めるだろうと思われる。このブログでも以前書いたが、『Tu-Ka』端末の再来を結構ユーザーは望んでいるのである。

スピードテストの結果から、話は横道にそれたが、本論の結論としては、『スピードテストの結果は大多数のユーザーは興味がなく、別にスピードがでなくても普通につながることと、月額料金の安い端末を出してくれればいいよ。』ということになる。当方、当分IIJmioは換える気はなし。

2013年9月19日木曜日

リニア「新甲府駅」と「新富士駅」の失敗 (身延線延伸問題)


私は生粋の静岡県民であり、隣県の行政決定なんかは興味ない。
しかし、今回、リニア新幹線の甲府駅の位置決定がなされたとの報道を受けて、建設予定地をちょっとばかり調べてみた。

甲府市大津町周辺。こちらがリニア新駅の建設予定地である。新駅周辺はのどかな田園風景が広がっており、いかにも広大な用地を買収しやすいところである。駐車場とか。
その反面、近隣にパナソニックやNECの工場があり、産業側にもいい顔はできるだろう。
また、平和通り(国道358号線)に接しているおかげで、甲府、塩山、大月までの所要時間も8~6分短縮できるそうだ。甲府駅まではまあ車で20分程度らしい。

どこと比較したのか。これは、JR身延線小井川駅周辺である。比較的人口密集地で、建設事業費は100億円ほど大津町案より高くなってしまう。しかし、JR東海との交差ポイントがあるので、私は一番現実的な案として採用されるだろう、と思っていた。しかし、山梨県の行政はちょっと違っていた。

知事および側近により検討はされたものの小井川駅案は高い、という理由で却下されてしまった。そして、『期成同盟会』に県案は提出され、全会一致(意見なし)だったらしい。
あえて、言わせてもらおう。新幹線は在来線との複合駅が当たり前である。この決定はまれにみる愚策としか言いようがない。アクセス問題については山梨県民のブログ等もたくさん拝見したが、ノンストップのシャトルバス、専用道路を使った「バス高速輸送システム」(BRT)、身延線常永駅からの身延線延伸、甲府駅からの夢のモノレール建設も視野にあるようだ。しかし、結局、身延線延伸案を除いては甲府まで乗り継いだとしたら乗車券は新駅で切れてしまう可能性があり、そこからはさらに別会社(富士急行とか…)の切符も買わなくてはならなくなる。

というのも、新幹線は原則在来線の距離で計算される。独立駅である新富士駅は乗車券について当初、富士で降りても新富士で降りても料金は変わらず、新富士駅経由でも身延線に乗り換えが可能です、という説明をしていた。そういう中で私も、新富士→富士(身延線)に乗り換えたクチである。
しかし、2-3年たったら、新富士で乗車券を回収されるようになってしまった。社員教育の問題かもしれないが…。
新富士駅は1日あたり5,000人の利用があるが、実は富士駅とのアクセスが悪く、おそらく、富士、富士宮市民、そして山梨県民は相変わらず、静岡、もしくは三島駅の利用も多いのではないか、と思う。上記の乗り換え問題もそうだが、新富士からバス利用をすると、バスによっては富士駅の発車時刻よりも遅く着いてしまう。目の前で身延線が発車してしまった、なんてことも体験したし、よく聞く。こういうことにならないためには、新富士駅を利用するのではなく、付近の新幹線駅を利用し時間の読める在来線を利用した方が、精神的にも、実は料金的にも実に良い。(実際、この問題は富士急行のバス時刻表の組み方が糞なだけだったと記憶しているが)

しかし、こんな小さな問題だけではない。好条件地がありながら、たとえば、100億円という差で安い土地に逃げること、これが今後100年200年続くと思われる社会インフラに対しどの程度の意味があるのか。甲府の商工会議所の出したモノレール接続案なんかは500億円かかると言われている。山梨県民がこの程度の計算ができないとは思わないが、田んぼの真ん中に駅をつくり、身延線をそのうち延長しますっと言われ続けた富士・富士宮市民の失敗を学んでほしい。富士市民はこういった社会インフラの誘致はなぜか苦手で、無駄な投資や利益をみすみす逃す判断ばかりしている。過去に、新幹線と東海道線の併走を認めず、新幹線と身延線を市街地から田んぼの方に追いやり、結局、解決できない問題を後世に残してしまっている。それでも東海道線の交差ポイントが存在するのに設置の際、そこには新駅は建設できなかった。
ただ、富士から新富士駅に向けてちょうどいいところに会社線(構内線)があり、それを利用しても建設費用は130億円かかるだと。だから、富士市としてはこの案は採用できないんだという(富士市が建設しても、富士宮市と峡南峡北民がそのメリットを大部分享受する、だからやりたくない、という気持ちも当然あるだろうが、そもそもこの地域の人が新幹線問題で苦労したのは正直、富士市の誤った判断が原因である)。まあ、甲府のモノレールより安いが、建設しても回収できないからだめだ、と。結局、こういう議論になってしまうから、最初っからできるものはやっておいた方がいい。決めておいた方がいい。
さらに、富士市の議論は極端で、まるで富士市が自ら鉄道経営をするような視点で投資金額とその回収について分析している。130億円を回収するのに新規鉄道では毎日26,000人の利用者がいなければいけない、という分析である。これはやめてもらいたい。行政側が建設するにしても、補助対象経費のうちいくらかは富士になるかもしれないが、身延線は富士宮や峡南、峡北、そして静岡県、山梨県が絡むので各自治体が負担すればよい。そして国もしくは鉄道・運輸機構あたりが1/3くらいを補助金として出してくれるはずだ。しかも、笑っちゃう話であるが、富士市・富士宮市の一般会計規模は併せて1,100億円を超える、という規模であるのにどうして公益的な建設事業であり、しかも建設債を使用でき何十年にもわたって返済できる130億円のうちの何分のいくつかも負担できないのか。
このあたりは直接税金投入が考えられるので、コスト回収の議論はする必要がないと思われる。税金投入の意味するところは、その地域全体で負担する、ということである。利益が出てもJR東海が持って行ってしまうからね。議論すべきは身延線の経営を行っており応分の負担をさせられるJR東海であり、行政側は議論するだけ無駄である。これだから公務員は…、と言われるかもしれないが、一般市道や街路の建設だってコスト回収は表だって議論しない。これは「公益」で「自治体しかできない」仕事なのである。行政が負担する社会インフラの整備なのになぜ経営的な資金回収の話になるのか、どうつながるのかまったくわからないのである。
しかも、身延線は相当の赤字を出しているにもかかわらず、利用できる要素(ブレイクする可能性)のある新駅建設について、JR東海が強硬な態度を示さないのもおかしい。自らの路線の利用者をもしかしたら倍増できるうまみのある話なのに、最初っから黒字化なんて…、とあきらめてしまっている部分が見られる。商売として、そんなんでいいのか。いくら、地元優先を標榜するにしても経営主体はJR東海ではないのか。
身延線全線はかなりの赤字路線としても、富士から富士宮までは結構儲かっている、という話も聞いたことがある。 ここは是非行政側に投げかけを行ってもらいたいものだ。

まだ新富士駅なんかはいい方で、ほんとにやらかしちゃってるところは新尾道駅だが。

素直に身延線に駅を作っておけばそもそもたいした駐車場整備もいらないはずなのに、最初からモノレールとか新交通システムなんかあてにせず、新駅が建設されてしまう前に県民による圧力を行政側にかけ、撤回させる方が財政的にも政策的にも正しいと思われる。

一方で、県リニア活用推進懇話会の座長を務める花岡利幸・山梨大名誉教授は「バスだけでは不便だ」と指摘し、身延線との連結に向けた交渉を進めるべきだと提言する。「いまの議論はリニアに乗る人の方を向いている。『使われない駅』になる危険性がある」
出典 : http://www.asahi.com/travel/aviation/TKY201111050444.html

同感である。こういった独立駅の場合は、『その地域』しか利益を享受できず、ましてや『新甲府駅』の場合はせいぜい甲府市、中央市程度の住民くらいしか利用できない。今回の新設は県域駅であるので、県全体が等しくメリットを享受するには、といった行政でやるべき当然の議論に欠けている(アクセス時間で何分短縮、なんていう話は棄却すべきである。一時間も違えばそりゃ考えるべきだろうが…)。甲府駅からいちいち細かいバス路線、他社路線に乗り換える、しかも、交通事情により乗り遅れる危険性も孕むということは、それだけで敬遠される可能性が出てきてしまう。しかも、都内アクセスとしての『かいじ』も将来的に廃止される可能性がある。山梨県全体として在来線交通を考えると、新駅開業後は今よりも不便になる可能性があるのに、そんな在来線と新幹線の法則も理解しないで山梨県庁は独立駅を選定したのであろうか。
幸い、山梨県の場合は競合する他社の特急同士であり、廃止されないことも考えられるが…。どちらか廃止しなければ共倒れになるレベル?かもしれない。

とりあえず、どういう案で比較したのか、隣県にはご愁傷様でした、と申し上げておく。

なお、山梨、静岡両県民は世界遺産を通じて、今後たくさんの人を呼び込まなきゃならないという共通命題がある。その中で言わせていただくと身延線に新駅があった方が、静岡側のメリットまでもそこから利用することができるだろうし、負担金という形で協力を求めることもできるだろう。リニアで新甲府まで来て、身延線沿線の車窓を楽しみ、富士宮の浅間大社にお参りして、新富士から東京に帰る、みたいなツアーも企画できる。まあ、新駅の冠に甲府市の名前を入れたかったという、甲府市の思惑は感じるが、甲府市のためだけの新駅ではないので遠慮してもらうほかない…。

あっ。もう田んぼの中の新駅は決定だったな…。ご愁傷様。