2011年6月11日土曜日

不思議な話

もう40年以上も前の話である。
川下の集落より歩いて10分程度山に向かって歩いたところ、ちょうど谷間のわずかな平地に作られた古ぼけた木造官舎に住んでいたのであるが、そのときの話である。

なぜその車に乗ったのかはよく知らない。覚えていないのである。隣のおばさんが下の集落のあたりにいた俺を車で家まで乗せていってくれる、という話だったと思う。俺は後部座席に乗った。で、しばらく家まで乗っていったと思う。
ちょっと雨が降っていたし、昔あったプッシュボタンのカーラジオが車についていたのを明確に覚えている。

でも、それだけが記憶の中に明確なイメージで焼き付いており、その前後はどうなっていたのか、全然覚えていない。
しかし、幼心にちょっとした不自然さを感じていたのだろう。後日隣のおばさんに確認してみた。おばさんとはなんかよく遊んでもらった。自然の中で、自分の親よりもよく遊んでもらっていた。
『この前さ、車で家まで送ってもらったよね…。』
返ってきた答えは意外だった。
『私、車も免許も持ってないよ。』

今でも、思い出す。でも、不可解である。幼児の頃はいろいろと不可解な出来事が起きるとはいわれているが、これもその一つなのだろうか。

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