2025年5月6日火曜日

ワープロ雑感「WordPad」

  実はWindows Writeはワープロである。簡易な物書きや、メモであればこれで十分ではないかと思う。

 私がワープロをいじり始めたのは、大学三年生のころであった。行政学のゼミに参加させてもらい、研究発表をするようになってからのことである。先生は当時「オンブズマン」の親玉であった鎌田理次郎先生のもとで行政学(とは言っても私の選んだ研究テーマは行政法の分野だったが)の研究をやり始め、ただ、行政学がなんであるかは卒業まであまり理解ができなかったんだが、週に何回かは研究者の真似事のような感じでワープロに向かっていた。

 当時、ゼミに参加していた外山先生という方がいて、その先生(当時は、講師なのか助手なのかよくわからなかったが)、ゼミで発表を終えたあとに「地方自治での議会の条例と国会の立法とどう違うのか。」と問われ、回答に辟易した覚えがある。あれから、30年以上地方行政に携わってきたが、行政の経歴としてはインフラ分野がその中の半分以上を占めていて、未だにその回答は出せていない。まあ、確かに業務の中で条例改正とか制定とか係わってきたことはあるが、そんな、立法権とどう違うか、なんて意識はしないもんな。話は逸れるが、外山先生はその後めざましいご活躍をされ、現在でも外資系?大学の要職に就かれている。

 まあ、そんな世の学生としては、研究に没頭した生活は送っていたとは思うのだが、研究生活で使っていたワープロは、「HW-2000」という、ブラウン管が使用されたでかいやつであった。OASYSや書院が10万円を超える時代にこいつは近所のマキヤで確か57,000円だったと記憶している。わけを話して親に買ってもらった。画面は5インチほどしかなかったが、たぶん。それでも、当時ワープロは一画面で全角20文字×15~20行表示できれば満足な性能であったので、一応条件は満たしていたんだろうと思う。しかし、印刷の初期設定としては12ポイント48ドットであり、それで印刷すれば印刷面は文句はないのだが、実はゼミ生のレジュメで多く使用されていたのは10ポイント程度の文字の大きさであり、その大きさだと例えばRupoとか、OASYSとか、文豪には敵わなかった。なんせ、その大きさだとカシオワード、字が汚なすぎたのである。

 卒業して、1991年に某公的機関に就職したが、そこで使用されていたのは、あのPC-9801と「文豪」であった。ワープロが世の中に出てから10年程度しか経っておらず、まだまだデカかったが、十分実用にはなっていた。プリンタはドットインパクトのやはりでかいやつで、レーザーなど夢の時代だったような…。そんな世の中だった。仕事は、「編集」だが、ワープロを使って編集するのではなく、ワープロが多く活躍していたのは、会議の「次第」作成であった。

 それ以外も多く使用していたとは思うが、30年以上も前のことであまり覚えていない。ほとんど、文章を書かせてもらった覚えなどないし。

 さて、その後、今の役所に転職することとなるのだが、そこで使われていたのは、三洋製「SANWORD」と「OASYS」であった。カシオワード、文豪やPC-98出身の私としては、かなり使いにくいものだった。罫線表を使えば間延びするし、日本語入力中に「→」キーを押したりすると、文節変更ではなく、「確定」となってしまうような「特殊な」操作性であり、かなり取扱いは苦労するものだった。癖のある操作性には閉口したが過去に富士通出身のSEさんと机を並べたことがある。なんとその方はOASYSの操作性は最高だった、と言っていた…。

 自分自身は、PC-98ノートを操り、文書作成はVZ EditorのWDマクロを使用して執筆をやっていたが、もう2000年頃には円高も相まってWindowsマシン+Wordが組織の標準的環境となり、あまりあの頃のような夢のある世界では無くなってしまった。

 家ではMacのクラリスワークスやWinで言えばWordPerfect、一太郎、オーロラエース、WorksそしてOfficeなどマニアと言っていいほどワープロソフトには投資してきたが、かといってこれがないと執筆作業はできない、といったソフトも正直見つけることができなかった。どんなものでもある程度は使い物になってしまう。かといって、どれも致命的な弱点も特にない。以前のThinkFreeなど禁則処理で多少不満なものはあったが、使い物にならないレベルとまでは言えない。で、この雑文は、Windows Meに付属しているWordpadで書いている。いろいろ遠回りしたが、気づけばこれで十分だな。

 残念なことに、Windows11では、WordPadは廃止になったらしい。Microsoft Office 2019も入っている環境だが、こうなってくると、いよいよNotePadの出番なのか。まあ、執筆と言ってもエミュレータ上のXPとかでやってることが多い。当然、セキュリティ上の問題から通信は切ってあるが、XPであれば手持ちのATOKが使用できて入力環境も良いと思うことから、しばらくこの構成は継続使用しようかと思う。